2014年12月11日木曜日

人感センサーライトVer.2の製作

毎回投稿が遅くなってしまい、申訳ありません。

また今回は、予告と異なる内容になりますことをお詫び申し上げます。


前回製作した「人感センサーライト」(以下「Ver.1」)において、まとまった台数を製作することとなり、Ver.1 の手作りを前提とした設計では、対応が難しくなってきました。

そこで、生産性を考慮した設計に変更するとともに、Ver.1 からの改善点を反映した「人感センサーライトVer.2」(以下「Ver.2」)を製作しました。


1、仕様(変更点)

製作台数が多くなると、特にユニバーサル基板の手配線では対応し切れなくなり、また、手作業ゆえのミスも多くなってきました。
そこで、今回は生産性を高めるために、プリント基板をカスタムで起こすことを決め、同時に作業品質の向上を求めることにします。

次に、Ver.1 のメインLEDに対して、予想通り「眩しい」との指摘があったと同時に、「真暗中で点光源が一個では心もとない」という意見も頂きました。
また、モニタLEDに関しても、「昼も光ったほうが、正しく動作していることが確認できて安心」という指摘がありました。

これらは、電子マスカットさまのオリジナル版(以下「オリジナル版」)から、変更(改悪!)した箇所ばかりであり、改めて、オリジナル版の完成度の高さを痛感します・・・

さらに、Ver.1 が「デカい」と敬遠されており、自身も、「拡張機能(AC100V制御を想定)は、電池でこれだけ光れば、当面不要かな・・・」と感じていたので、今回を機に、小さいケースに変更することにします。


上記より、以下の仕様を前提に、設計・製作を進めることにします。

(1) メイン基板をプリント基板化し、作業効率および品質を向上する。
(2) メインLEDおよびモニタLEDの発光品質を改善する。
(3) 筐体を小型化する。


2、設計

2.1 回路

1項の通り、オリジナル版に、より近づく(戻る!)回路構成となりました。
多数のジャンパー線を手配線する作業から開放されますので、無理に回路の簡略化に走る必要も無くなります。

以下に回路図を示します。


昼間もモニタLEDが光るためには、IC2の入力側に配置することになりますが、人感センサ(S1)の出力では、とても駆動できません。
結局オリジナル版のとおり、初段モノマルチ(IC1の半分)を使用して光らせることにしました。
これにより、モニタLEDは、オン時間が一定のパルス点灯となります。

R5は、選択対象で、モニタLEDが昼間も光らせたいときは「a」を、夜間だけでよいときは「b」を実装して、何れのニーズにも対応できるようにします。

D3(メインLED)は、機械的に散光させる方法も考えましたが、製作効率が低下して本末転倒となります。もとより、個数に対する具体的要望がありますので、迷う余地なく一個追加して、二個構成にしました。
また、眩しさを回避するために、LEDの種類を変更しました(次項を参照)。

2.2 部品

メインLED、抵抗の他は、Ver.1 と同等です。

メインLEDは、同じシリーズで「電球色」の品があり、同一条件で眩しさが軽減されると感じましたので、当該品に変更しました。

抵抗は、パターン設計が容易となる(端子間にパターンを何本も引ける 次項を参照)ため、一回り大きい1/4W品にしました。

2.3 基板

発注する業者を探した結果、国内業者で単価も安い、名古屋 大須のユニクラフトに依頼しました。
ただし、同社において単価メリットの大きい「50mm×50mm」サイズに収めるため、パターンを設計し直しました。

以下に、そのパターンを示します。


基板穴の間隔は、ユニバーサル基板と共締めできるように(3.3項を参照)、41mmにしました。

※ 発注するためのデータを出力するために、基板設計ソフトウエア「PCBE」を最新版(導入時点 0.58.6)にバージョンアップしました。これにより、描画色やライブラリ描画が異なっています。

※ データは、同社サイト内 「PCBEを使ったプリント基板設計 PCBE操作マニュアル」 に従って用意しました。

以下のような基板が、出来上がってきました。




3、製作

3.1 基板

メイン基板に、以下のように実装します。
当然ながら、どんどん実装できます。さすがはカスタム基板です・・・!



※ Ver.1と同様に、LEDとCdS(照度センサ)を、チューブでかさ上げします。
※ 調整用のピンヘッダー(SW1)は、実は、ほとんど使用する機会がなく、当面未実装としています。

3.2 ケース

将来の拡張性を除外すれば、一回り小さい タカチSW-85 に充分収まります。
ケース加工も作業効率を上げる必要がありますので、トレーシングペーパーによる型紙を作成しました。
この型紙をSW-85 のフタ部に当てがい、千枚通しなどでポンチングします。


ポンチ点にドリルで穴あけします。


※ 穴径は、四隅ビス穴が 3.4mm、人感センサーが 11mm、モニタLEDが 4mm、他は6mmです。

3.3 組み立て

電池は交換時に大きな機械的ストレスがかかるので、支点となるケースに直接固定する必要があります。
よって、せっかくカスタム基板を起こしたのですが、Ver.1 と同じく、電池ボックスを一旦ユニバーサル基板に実装し、メイン基板と片側だけ共締めしました。


※ スペーサーは、左が 8mm+5mm+ワッシャー、右が、15mm です。


4、完成

動作確認を行い、ケース本体に嵌め込めば、完成です。





基板をカスタムで起こす作業は、個人では初めての経験でしたが、国内の業者に依頼したことと、当該業者が、使い慣れた「PCBE」のデータに対応していた(バージョンアップはしましたが)ため、至ってスムースに作業を進めることができました。

これにより製作効率が目立って向上し、当面の課題が解決したことは嬉しい限りです。