長期システム開発のテーマとして、「ケアマネジメント」を採り上げることとしました
現状では雲を掴むような状態でもあり、まずケアマネジメントの概略を調べて、当面の目標を設定したいと思います
なおここでの調査結果は、上記の通りシステム開発を目的としていますので、データの中身より構造や処理に特化した内容となってしまうことをご了承ください
序、ケアマネジメントとは?
広義では、「福祉サービスを円滑・効果的に管理すること」となりそうですが、現在の社会保障制度では
・介護保険制度で定められた福祉サービスの運用ルール
と位置付けられます
※ なお介護保険制度で対象となるのは「高齢者」であり、障害者については別制度(障害者自立支援制度)でのサポートとなるため、ここでは採り上げないこととします
現在の介護保険制度では、運用すべきサービスとして大きく以下二つが定義されています
・居宅サービス ⇒ 自宅で過ごし、訪問サービスを利用したり施設に通ってサービスを利用する
・施設サービス ⇒ 施設に長期に入居して、原則その施設のサービスを利用する
また、居宅サービスは「訪問介護」「通所介護」他15種類、施設サービスは「介護福祉施設サービス」他3種類のサービスに分類されています
今回は、「居宅サービス」に絞って調査を進めて行くこととしたいと思います
以後、「ケアマネジメント」は「居宅サービスのケアマネジメント」を指すととなりますのでご了解ください
それではまず手始めに、ケアマネジメントの大まかなフローと、各フェーズで必要な文書・記録について調べて行くととします
1、ケアマネジメントのフロー
※ 左がフローで、右は各フェーズで作成する文書・記録です
※ 色付きは、作成が必須とされる文書・記録です
※ 「介護給付費単位数サービスコード表」は、(独)福祉医療機構が提供するデータです
2、各文書の概要
3、「介護給付費等単位数サービスコード表」
先述しました居宅15サービス+施設3サービスを、時間帯や難易度でさらに約1700項目に細分化したデータテーブルです
細分化されたサービスそれぞれに、介護報酬の単価基準となる「単位」が定められており、給付額を決定する重要データであると共に、サービス提供と給付・請求処理を結びつけるインターフェースともなります
4、ここまでの考察
まずフロー面では、「居宅介護サービスを提供するプロジェクトを成功に導く」ための「PDCAモデル(Plan-Do-Check-Action)」そのものであり、マネジメントシステムとして非常に良くできていると思います
次に文書面では、殆どの文書が書式指定であり、ソフトウエアに落とし込むと共通化のメリットがより大きくなります
またデータの転記箇所が多く、これはシステム化で大きく省力化できるものと思われます
さらに給付請求処理では、サービスコードから介護保険請求額を算出する処理は手作業では困難で、システム化の効果が極めて大きいものと思われます
5、次回の予定
各文書について調べて行きたいと思います
※ 今回の調査では「ケアプランの広場」「WAM NET」(福祉医療機構ポータル)というサイトを参考・引用させて頂きました
管理者の方に御礼申上げます
また稚拙な質問にお答え頂いた、鹿児島県日置市 地域包括支援センターの担当の方に、この場を借りて御礼申上げます
今日のところは以上です